宗像大社辺津宮
沖ノ島へのいのりから生まれた宗像三女神〔むなかたさんじょしん〕のうち、市杵島姫神〔いちきしまひめのかみ〕をまつるお宮で、九州本土にあるんだよ。毎年とても多くの人が訪〔おとず〕れるんだ。
とても古そうな建物だわ。
奥〔おく〕(写真左)が神様がまつられている本殿〔ほんでん〕という建物で、1578年に宗像氏貞〔むなかたうじさだ〕が建て直したものなんだ。宗像氏貞は、古代の豪族〔ごうぞく〕宗像氏の子孫で、宗像地域〔むなかたちいき〕を支配〔しはい〕した大宮司家〔だいぐうじけ〕の最後の当主なんだよ。戦国時代〔せんごくじだい〕の人だね。
本殿の手前の拝殿〔はいでん〕も、1590年に建て直されたもので、どちらも400年以上昔の建物だから、国の重要文化財〔じゅうようぶんかざい〕に指定されているよ。
本殿と拝殿のまわりには、小さなお宮の建物がたくさんあるよ!
これらは末社〔まっしゃ〕といって、宗像地域にたくさんあった辺津宮に関係する神社の神々がまつられているんだよ。
ほかにも辺津宮境内〔けいだい〕には、第二宮〔ていにぐう〕・第三宮〔ていさんぐう〕と言って、沖津宮(沖ノ島)の田心姫神〔たごりひめのかみ〕、中津宮(大島)の湍津姫神〔たぎつひめのかみ〕をまつっているお宮があるよ。辺津宮に来れば、宗像三女神すべてにお参りできるようになっているんだ。
辺津宮でも古代からおまつりが行われていたのよね?
うん、下高宮〔しもたかみや〕といって、本殿より奥の丘〔おか〕の上のほうだよ。行ってみよう。
遠くに少し海が見えるよ。
大島の御嶽山〔みたけさん〕といっしょで、この海が見える小高い丘の上で、沖ノ島と同じようなおまつりが1200~1100年前くらいに行われていたようなんだ。宗像三女神へのおまつりの場がだんだんと発展〔はってん〕して、今のような神社になったんだよ。
このあたりは宗像大社にとってとても大事な場所だから、今も高宮祭場〔たかみやさいじょう〕というおまつりをするための場所が設〔もう〕けられているんだ。
ここもとても神秘的〔しんぴてき〕な雰囲気〔ふんいき〕ね。
階段〔かいだん〕を登ってきてよかった!
さっき海が見えたけど、辺津宮の脇〔わき〕を流れている釣川〔つりかわ〕という川のあたりは、古代には海が入りこんでいたんだ。さっき見えていた田んぼのあたりも、昔は入り海〔いりうみ〕だったみたい。
じゃあこの辺津宮も、海のすぐ近くにあったということ?
そうだよ。今では少しわかりづらいけど、辺津宮も海とすごく関わりが深いお宮なんだ。
1000年も経〔た〕つと、地形もすっかり変わってしまうのね。