世界遺産への道60 ≪信仰と共に育まれた空間も重要「世界遺産国際専門家会議」≫
2016年04月5日
本遺産の本質的価値について最終的な調整
宗像市と福津市、県で組織する「宗像・沖ノ島と関連遺産群」世界遺産推進会議が10月14日、同15日、福岡市で国内外の専門家を招いた会議を開きました。
会議には、ユネスコ世界遺産委員会に関係するダグラス・コマーさん(イコモス考古学遺産管理委員会共同委員長)ら8人と、国内から、イコモス委員で古代史を専門とする佐藤信(まこと)さん(東京大学大学院教授)ら5人の専門家が出席。本遺産の本質的な価値、類似遺産との比較研究、推薦書での表現方法など、多岐にわたり議論してもらいました。
会議に先駆け10月12日、同13日、海外専門家を中心に、全ての構成資産を視察してもらい、古代の日本と東アジアが、海を介してつながっていたことを肌で感じてもらいました。会議では、海と人との関わりから生まれた信仰であること、また、この信仰と共に育まれた景観も重要であることが指摘されました。
今後、会議での指摘事項をさらに研究し、来年度、本遺産の推薦書を文化庁に提出します。
多くの世界的な価値を秘めた遺産 「国際学術研究報告会」
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産登録を目指すに当たり、各分野の専門家に調査研究を依頼し、研究成果を提出してもらいました。10月12日、同13日、福岡市で、当遺産群の価値をさまざまな角度で捉えた研究成果の報告会を開きました。
沖ノ島の調査は、昭和29~46年に、3次にわたり実施され、その後、刊行された調査報告書としてまとめられています。この報告書の刊行から40年が経過し、今回、新たな技術・視点で研究した18人の専門家が研究結果を報告しました。
報告会の最後には、報告した専門家が、「沖ノ島、その世界的な価値を探る」をテーマにパネルディスカッションを実施。パネリストから、「東アジアとの交流の証を示す唯一無二の存在」「海を介した文化的景観」「今に続く生きた信仰の場」などのキーワードが繰り返し発言され、世界的価値を多く秘めている遺産であることが結論付けられました。