世界遺産への道69 ≪3Dアニメで見る「宗像・沖ノ島と関連遺産群」全5話完結≫

リアルとアニメで宗像の昔を体感

海の道むなかた館で放映中の3Dアニメは、今年10月、最終話が完成します。

原作は、『季刊邪馬台国』という雑誌に、平成24年7月号から同26年4月号にかけて連載したマンガ「海の民宗像~玄界灘の守り神~」です。

通常放映している「聖なる島・沖ノ島」「宗像大社の神事」「沖ノ島の自然」の実写版は、学術的な観点から大人向けに制作したもので、特に、通常渡ることのできない沖ノ島をリアルに感じてもらうことができます。それに対して3Dアニメは、世界遺産登録を目指している「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の中で、沖ノ島での祭祀(さいし)が実施される以前の宗像の様子から祭祀が終わり、沖津宮、中津宮、辺津宮の三宮が成立するころまでの情景を、子どもが理解できるように制作しました。内容は、フィクションですが、これまでの調査結果に基づいて編集しています。

 

1話1話に引き込まれる3Dシアター

作品の一部を紹介します(下表参照)。
みなさん、全話をぜひ見てください。
3Dシアターは無料です。

 

タイトル

内 容

第1話

玄界灘の守り神

田熊石畑(たぐまいしはたけ)遺跡で実際に生活をしていた人々が生きていた弥生時代を中心に、宗像を取り巻く情勢を描いています。

第2話

海人(あま)の都
ムナカタ

2話連続で弥生時代から古墳時代に移り変わるころの宗像を描いています。宗像地域に前方後円墳が築かれる契機となった地方豪族宗像氏とヤマト王権との出会いを、侵略ではない絶妙な交渉で服属関係となっていく様子を描いています。

第3話

ムナカタとヤマトをつないだ海人

第4話

玄界灘の軍神

沖ノ島の岩陰祭祀の時期を中心に、「ヤマト王権」と親密な関係にあった韓国「百済」、九州地方の一大勢力であった「筑紫の君磐井(いわい)」と親密関係にあった韓国「新羅」、その板挟みとなっていた宗像氏のとった行動を描いています。

第5話

海の民ムナカタ

大海人(おおあまの)皇子(後の天武天皇)が、幼少のころに宗像君徳善(むなかたのきみとくぜん)の娘「尼子娘(あまこのいらつめ)」と出会います。その後、天武天皇の命で、日本最古の歴史書と呼ばれる「古事記」の編さんに協力する尼子が、自身の生い立ちと宗像に関する記事について語り始めます。

画像:3Dシアターの一場面
大海人皇子と尼子娘の出会い(3Dシアターの一場面)