世界遺産への道93 ≪イコモス調査で各遺産の価値を確認≫
2016年10月7日
来年夏、ポーランドのクラクフで開催される第41回ユネスコ世界遺産委員会で、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産登録についての審査が予定されています。それに伴って、9月7日~11日に世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)の調査員による現地調査が実施されました。
調査を担当したのは、ニューカレドニアの考古学者クリストフ・サンドさん。日本の神社に対する知識もあり、本遺産の祭祀遺跡や神社境内について熱心に調査しました。
期間中、市民参加型ミュージカル「むなかた三女神記」の鑑賞や絵本を制作した中学生のみなさんとの触れ合い、宗像大社宮司との対話、海の道むなかた館や大島で活躍しているボランティアの人とも意見交換が行われ、多くの人たちがいろいろな形で携わっていることに関心を示していました。
この調査は、本遺産が世界遺産としての条件に達しているか否かを確認することが目的で、各資産が持つ価値や資産の範囲、保存管理のあり方、地域コミュニティーとの関わり、来訪者の対応など広い視点から現地を確認しました。
今回の調査内容を踏まえ、イコモスで議論が重ねられ、来年5月には記載、情報紹介、登録延期、不記載の4段階のいずれかの勧告が公表され、これを受けて夏の世界遺産委員会で登録の可否が決定します。