世界遺産への道63 ≪今夏提出の推薦書に向けて簡潔で内容が伝わる遺産名を模索中≫
2016年04月5日
今年の夏に推薦書を文化庁へ提出する予定の「宗像・沖ノ島と関連遺産群」について、10回の国内専門家会議と5回の国際専門家会議を経て、資産の価値付けや保存管理方法などをまとめました。
2月1日、同2日に開催された専門家会議では、推薦書の内容が誤解を与えず正しく記載されているかなど、細部まで確認しました。特に推薦書は、英語で作成するため、英語訳について議論。例えば、宮はtempleとshrineのどちらが適切かなど、一つ一つ確認しています。実際に推薦書を読む人が素直に価値を理解できる表現になっているかどうか、提出までの短い時間で検討しなければなりません。
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」という名称も検討の一つです。名称から資産の内容が伝わらないといけません。資産の価値が整ってきた今、ようやく資産名の議論に入ることができました。日本の世界遺産の資産名には、「富士山・信仰の対象と芸術の源泉」のように主題と副題を組み合わせるものと、「紀伊山地の霊場と参詣道」のように主題で全体を説明している場合の2通りあります。本遺産も、極力簡潔で遺産の内容が伝わる名称を引き続き模索しなければなりません。
専門家から世界遺産としての価値が評価されている本遺産は、推薦書を介して日本人の感覚と欧米人の感覚が一致し、価値を共有することができれば、登録実現がさらに近づきます。