世界遺産への道86 ≪沖ノ島の岩礁も含め関連遺産群の構成資産になりました≫
2018年08月8日
沖ノ島の南東約1キロメートルに、小屋島、御門柱、天狗岩の3つの岩礁があります。1月27日、ユネスコ世界遺産センターへ提出された推薦書(正式版)に、この3つの岩礁が世界遺産の構成資産として新たに含まれました。
提出時は、沖ノ島に3つの岩礁と沖津宮を含めて1つの資産としていましたが、平成27年9月にユネスコに推薦書(暫定版)を提出した結果、「ひとつの土地の範囲をひとつの資産とすべき」という指摘を受け、沖ノ島と3つの岩礁をそれぞれ分けて構成資産としています。
世界文化遺産の資産となるためには、不動産であること、文化財保護法による国の指定を受けていることが必要です。そこで、平成27年10月7日、3つの岩礁とその周辺の海域が「宗像神社境内」として、国史跡に追加指定されました。
これによって、構成資産は、
- 「沖ノ島」
- 「小屋島」
- 「御門柱」
- 「天狗岩」
- 「沖津宮遙拝所」
- 「中津宮」
- 「辺津宮」
- 「新原・奴山古墳群」
の計8資産となり、1から4を総称して沖津宮としています。
江戸時代に書かれた筑前続風土記に、「小屋島と御門柱の岩が2つあって、あたかも神門のようである」と記されています。また、沖津宮全図(明治8年)には、沖ノ島本島と合わせて、この岩礁が一体のものとして描かれています。
これらの岩礁は、沖ノ島へ至る鳥居のような役割を果たしていて、現在も、神職の交替の時などは、この小屋島と御門柱・天狗岩の間を船で通過して、沖ノ島に向かいます。