世界遺産への道86 ≪沖ノ島の岩礁も含め関連遺産群の構成資産になりました≫

沖ノ島の南東約1キロメートルに、小屋島、御門柱、天狗岩の3つの岩礁があります。1月27日、ユネスコ世界遺産センターへ提出された推薦書(正式版)に、この3つの岩礁が世界遺産の構成資産として新たに含まれました。

提出時は、沖ノ島に3つの岩礁と沖津宮を含めて1つの資産としていましたが、平成27年9月にユネスコに推薦書(暫定版)を提出した結果、「ひとつの土地の範囲をひとつの資産とすべき」という指摘を受け、沖ノ島と3つの岩礁をそれぞれ分けて構成資産としています。

世界文化遺産の資産となるためには、不動産であること、文化財保護法による国の指定を受けていることが必要です。そこで、平成27年10月7日、3つの岩礁とその周辺の海域が「宗像神社境内」として、国史跡に追加指定されました。

これによって、構成資産は、

  1. 「沖ノ島」
  2. 「小屋島」
  3. 「御門柱」
  4. 「天狗岩」
  5. 「沖津宮遙拝所」
  6. 「中津宮」
  7. 「辺津宮」
  8. 「新原・奴山古墳群」

の計8資産となり、1から4を総称して沖津宮としています。

江戸時代に書かれた筑前続風土記に、「小屋島と御門柱の岩が2つあって、あたかも神門のようである」と記されています。また、沖津宮全図(明治8年)には、沖ノ島本島と合わせて、この岩礁が一体のものとして描かれています。

これらの岩礁は、沖ノ島へ至る鳥居のような役割を果たしていて、現在も、神職の交替の時などは、この小屋島と御門柱・天狗岩の間を船で通過して、沖ノ島に向かいます。

画像:宗像神社史
宗像神社史 明治8年沖津宮全図