世界遺産への道59 ≪沖ノ島の神事の場 沖津宮遙拝所≫
2015年04月30日
大島には、世界遺産の構成資産候補の宗像大社・中津宮と沖津宮遙拝(ようはい)所があります。遙拝所は、大島の北側にあり、はるか48キロメートル先にある沖ノ島(沖津宮)に向かって社殿が建てられています。
この沖津宮遙拝所の設置は、江戸時代とされ、宗像大宮司家断絶後、神職の一甲斐越智(いちのかいおち)氏・河野氏が神事を実施していました。現在、沖津宮遙拝所は、中津宮の神職が管理しています。
遙拝所の扁額(へんがく=門や鳥居などの高い位置に掲げる額)には、「沖津宮」と記されていて、大島にありながら沖ノ島(沖津宮)の神事の場であることが分かります。
毎年5月27日に実施される沖津宮現地大祭は、年に一度、沖ノ島への渡島が許される日です。渡島の前日に大島に泊まり、中津宮で潔斎(けっさい=心身を清めること)を受け、沖ノ島に向かいますが、悪天で沖ノ島に行けない場合は、沖津宮遙拝所で神事が実施されます。
沖ノ島は、本殿内部と同じ神聖な空間で、人の立ち入る場所ではありません。通常、沖津宮の参拝は、沖津宮遙拝所で実施します。